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ペースメーカーの歴史

最初のペースメーカーは、1932年、アメリカの生理学者であるアルバート・ハイマンにより開発された。ハイマンの作ったものは手回しによって発電し、その電気ショックを心臓に送って心筋を動かすものであった。ハイマン自身はこの装置に「Artificial pacemaker(人工ペースメーカー)」と名づけた。このペースメーカーという言葉が後に広く使われることとなる。

初期のペースメーカーは、1950年にカナダ人の技術者ジョン・ホップス (John Hopps) によって設計・製作された。これは、使用者にとって大きな苦痛を伴った。1950年代後半の心臓ペースメーカーは大きくかさばり、商用電源を利用しなければならなかった。停電時は装置が停止する危険性があり、患者は生命の危険に晒されるというリスクがあった。また当時のペースメーカーは、一定時間ごとに電気ショックを心筋に流すだけであり、血流や血圧の状況に応じて電流・電圧を制御することが不可能であった。

1958年には、スウェーデンのRune Elmqvist らによって、体内植込み式の心臓ペースメーカーが試作された。しかしこの植込み式のペースメーカーも、動作電源が問題であった。当時ペースメーカーの電源に水銀電池が用いられたが、当時の水銀電池をペースメーカーに使うとその電源寿命はおよそ2年であり、すなわち患者は2年ごとにペースメーカーの電池を取り替えるため大規模な手術を施さなければならず、患者に大きな負担を強いることになった。

1960年代になると、動作電源の問題を解決するため、電源に、プルトニウム放射性同位体であるプルトニウム238の原子力電池が用いられるペースメーカーが開発された。 プルトニウム238は崩壊モードアルファ崩壊のため、ベータ線ガンマ線の放出が少なく放射線の遮蔽が非常に簡単で、それでいて半減期が87.7年と長い。そのため一度プルトニウム電池を用いたペースメーカーを植込めば、半永久的に取り出す必要がないことが大きなメリットであった。 この原子力電池を用いたペースメーカーは、放射性同位体を使うための手続きや国によっては法的な問題もあったが、手術をして電池を取り替える必要がないメリットの方が大きかったために、欧米では数千個もの原子力駆動のペースメーカーが出回った。当時のペースメーカーを2008年現在も使用している人もおり、機械的な故障を除けば、電源面では実働30年以上の耐久性がある。

1970年代初頭になるとリチウム電池の性能が上がり、各種手続きの面倒な原子力電池の代わりにペースメーカーの電源のために使われるようになった。現在のペースメーカーでもリチウム電池だと寿命が長くても10年程度と、生涯取り出す必要のない原子力電池と比べたら短命だが、それでも水銀電池の2年に比べたら長く、安定した電力が取り出せ、放射性でないために規制も少なく、以降ペースメーカーの電源用として国を問わず広く使われている。 日本の医療者の説明ではペースメーカーの電池は完全固形というが完全固形の電池においては2005年、大阪市立大学で特許が出たのが最初であり、それまでなかったのにもかかわらず、あるという説明は矛盾を持っており、その説明についても回答がまたれる状況でもある。

2005年には血液中のグルコースで発電する燃料電池が発表されたため、実用化されれば電池交換は不要になると思われる。


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